年齢調整

がんに限らず、多くの病気の原因第一位は、加齢(老化)である。昔と今では、今の方が高齢化が進んでいるので、多くの病気で、罹患率が増加している。罹患率は一年単位で示されることが多いので、以降は特に断らず罹患率は一年あたりの罹患率として話をする。
さて、おおざっぱに(きわめておおざっぱだが)、65歳を境にして、非高齢者、高齢者と分け、ある病気の罹患率をA%、B%とすると、全体での罹患率

(1年前の非高齢者の非罹患人口 * A/100 + 1年前の高齢者の非罹患人口 * B/100)/1年前の全非罹患人口

となる。つまりB>Aの場合、高齢者の割合が増えるだけで全体の罹患率は高くなる。
もし、高齢化以外に、病気が増えている原因を調べたいならば、この高齢化の影響を取り除かなくてはいけない。それが年齢調整と呼ばれる方法である。発想は単純で、基準となる年齢別の非罹患人口構成を定めて罹患率を計算する。
たとえば、1950年の罹患率をA(1950)%、B(1950)%、2014年の罹患率をA(2014)%、B(2014)%とすると、年齢調整罹患率はそれぞれ、

(非高齢者の基準非罹患人口* A(1950)/100 + 高齢者の基準非罹患人口 *B(1950)/100)/基準全非罹患人口

(非高齢者の基準非罹患人口* A(2014)/100 + 高齢者の基準非罹患人口 *B(2014)/100)/基準全非罹患人口

となる。放射能放射性物質の環境への放出)が原因でがんが増えてきているなら、がんの罹患率

A(1950)